工事写真台帳テンプレートの選び方(分かれ目は「マクロが使えるか」)
写真整理に役立つ工事写真台帳のExcelテンプレートは、ネットで探せばいくらでも出てきます。
この記事でも登録不要・xlsx形式ですぐ使える工事写真台帳テンプレートを無料配布しています。
でも実際に選ぶときに何を基準にすれば良いかわかりにくいですよね?
判断基準の1つとして考えてみて欲しいのが
あなたのPCで、マクロが使えるかどうかという基準です。
マクロ付きテンプレートは、写真の貼り付けやリサイズが自動化されていて圧倒的にラクです。
一方で、会社の貸与PCや官公庁関係の環境では、セキュリティポリシーでマクロ(.xlsmファイル)がブロックされていることが珍しくありません。
「ダウンロードしたのに開けない」「コンテンツの有効化ボタンが出ない」——これ、テンプレートのせいではなくPC環境の問題です。IT担当者に聞いても「規定なので」で終わるケースがほとんどです。
なので、この記事では環境別に2つのテンプレートを用意しました。
| あなたの環境 | おすすめ | 入手先 |
|---|---|---|
| マクロOK(自分のPC・制限なし) | 現場TECH製(写真貼り付けが自動) | 外部サイト(後述) |
| マクロ禁止(会社貸与PC・官公庁系) | 当サイト製シンプル版 | この記事で無料DL |
| 蔵衛門を使っている | 御用達DXで台帳出力+補足用に上記 | →蔵衛門の運用記事へ |
| 貼り付け作業そのものを無くしたい | 写真整理GAS | →自動化の解説へ |
どちらが優れているという話ではなく、環境で決まる話だったんです。
ヤマダ順番に説明していきますね
工事写真台帳とは?記載すべき項目(公共工事対応)
工事写真台帳は、施工状況を写真で証明するための提出書類です。
完成後に隠れてしまう部分が図面どおりに施工されたことを示す唯一の証拠になるため、公共工事では国交省の営繕工事写真撮影要領(土木では写真管理基準)をベースに、撮るべき写真と整理方法が実質的に決まっています。
民間工事でもこれに準拠した様式を求められるのが一般的です。
台帳に最低限入れる項目は以下のとおりです。当サイトのテンプレートはこの項目を網羅しています。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 表紙 | 工事名/工事番号/工期/施工者 |
| 各ページ | 工種/撮影箇所(位置)/撮影日/写真/注釈(寸法・規格など) |



なお、撮り忘れが発覚したときのリカバリー方法は別記事にまとめています。


【マクロ禁止PC向け】当サイト製シンプル版テンプレートの使い方
会社のPCでマクロが使えない方向けに、マクロを一切使わない工事写真台帳テンプレートを作りました。
ダウンロードはこちら(無料・登録不要)。
普通の.xlsxファイルなので、警告も有効化ボタンも出ません。開いたらすぐ使えます。



※ダウンロードが上手く行かない方はZip版を試してみてください。
他のテンプレートでもExcelファイルだと上手くダウンロードできない事がありました。
シート構成
| シート名 | 内容 |
|---|---|
| 使い方 | 操作手順(このセクションと同内容) |
| 表紙 | 工事名・工事番号・工期・施工者 |
| Master | 工種・撮影位置のリスト(カスタマイズ可) |
| 写真台帳 | 本体(1ページ=写真3枚×5ページ分) |
機能は3つに絞っています。写真が貼れる。工種・撮影位置がプルダウンで選べる。注釈が書ける。以上です。
マクロ版のような自動貼り付けはありません。
その代わり、手動でもストレスなく貼れるコツを1つだけ覚えてください。
- 挿入タブ →「画像」→「このデバイス」で写真を選ぶ
- 写真の角をドラッグして大きさをざっくり合わせる
- このときAltキーを押しながら動かすと、写真がグレーの枠線にピタッと吸着します
Excelの標準機能なので、どのPCでも使えます。1枚あたり10秒もかかりません。サイズを目分量で微調整して、結局印刷で崩れる——あの無駄な時間がなくなります。
なぜ「1ページ3枚型」なのか



当サイトのテンプレートは1ページ=写真3枚のレイアウトです。
これは、役所工事の写真整理の基本が「着手前・施工状況・完了」の3点セットだからです。
1工種1ページで時系列が完結するので、検査官がページをめくるだけで施工の流れを追えます。配筋のアップなど大きく見せたい写真が多い現場では2枚型のほうが向くこともありますが、迷ったら3枚型で問題ありません。
工種はMasterシートで自分の現場に合わせる
Masterシートに工種10分類(着工前・仮設・基礎・躯体・防水・外装・内装・設備・検査・その他)をあらかじめ入れてあります。書き換えれば、台帳のプルダウンに自動で反映されます。
工種を細かく分けすぎると黒板の書き換えも増えて運用が崩れるので、10分類以内に留めるのがおすすめです。
ページが足りなくなったら
1ファイルに5ページ(写真15枚分)入っています。足りない場合は、ページ全体の行を行番号ごと選択してコピー →最終ページの下に「コピーしたセルの挿入」。これで何ページでも増やせます。
「工事黒板のエクセルテンプレート」を探している方へ
このブログにどういう検索ワードで飛んできているかを調べていると「工事黒板 エクセル テンプレート」のワードが一定数いらっしゃることが見えてきました。



先に申し上げておくと、このページには黒板のExcelテンプレートを置いていません。
理由と、代わりになる現実的な選択肢を正直に書きます。
黒板の合成は「改ざん」になる
先に一番大事なことを。撮影後の写真に黒板を合成するのはNGです。
工事写真の黒板は、撮影時にカメラに写り込んでいることで証拠能力を持ちます。
あとからExcelやペイントソフトで黒板画像を写真に載せるのは、公共・民間を問わず改ざん・偽装にあたります。
電子小黒板が改ざん検知機能(信憑性確認)に対応したアプリに限定されているのも、後付け合成の余地を潰すためです。「黒板を写し忘れた」場合の正しい対処は、合成ではなくリカバリーです。
では、黒板テンプレを探していた人は何を使えばいいか
探している状況は、だいたい次の3つのどれかだと思います。
- 「会社の黒板が大きくて持ち歩きが面倒」→ 既製品のミニ黒板が正解です。伸縮式になっているので一人でも撮影が可能です。1,000〜2,000円程度で売られていて、改修工事や狭所の撮影ではこれが一番ラクです。Excelで自作して印刷・ラミネートするより、丈夫で書きやすくて結局安上がりです。
- 「黒板の書き換えの手間自体を無くしたい」→ 電子小黒板アプリです。スマホの画面上に黒板を表示して撮影するので、書き換え・持ち運びがゼロになります。蔵衛門の使い方はこちらにまとめています。


- 「撮った写真を台帳にまとめる様式が欲しい」→ それはこのページの工事写真台帳テンプレートの出番です
黒板は「撮るときの道具」、台帳は「撮ったあとの書類」。検索していると混ざりがちですが、この2つは別物です。
【マクロOK環境向け】:現場TECH「写真台帳作成ツール」
現場TECH(運営:合同会社ソウルグッド) が無料配布しているExcel(マクロ有効ブック)です。



マクロが使える環境なら、正直こちらの方がラクです。写真の貼り付けが自動化されているからです。
ライセンス:CC BY-NC-ND 4.0
個人・自社業務内での利用は無料。改変しての再配布・販売は禁止。
テンプレートのダウンロード
現場TECH「写真台帳作成ツール(Excel版)」は以下からダウンロードできます。
※利用にあたっては、テンプレート内の「利用規約」シートを必ず確認してください。
このテンプレートの何が便利か
普通のExcelテンプレートと一番違うのは、写真の挿入がマクロで自動化されている点です。
- 写真枠をダブルクリックするだけで、サイズぴったりに自動配置
- 工種・撮影位置はリストから選ぶだけで入力完了
- ページ追加はボタン1つで何枚でも増やせる
手作業で写真サイズを調整する時間が、そのまま丸ごとなくなります。
シート構成
| シート名 | 内容 |
|---|---|
| 利用規約 | ライセンス・免責事項 |
| 説明 | 操作マニュアル(使い方の手引き) |
| 表紙 | 工事名・工事番号・工期・施工者 |
| Master | 工種・位置のリスト(カスタマイズ可) |
| PhotoSheet | 写真台帳の本体(1ページ=写真2枚) |
テンプレートの使い方【手順】
STEP1|表紙を埋める
「表紙」シートを開いて、以下の項目を入力します。
- 工事番号
- 工事名
- 工事箇所
- 工期(着手・竣工)
- 施工者
ここは提出前に1回入力すれば終わりです。
STEP2|Masterシートで工種・位置を自分の現場に合わせる
「Master」シートには、工種と位置のリストが入っています。
デフォルトの工種一覧
- 鉄筋工
- 土工
- 型枠工
- 建築工事
- 電気設備工事
- 機械設備工事
- 舗装工
このリストを、自分の現場の工種に書き換えます。ここで登録した工種が、PhotoSheetのドロップダウンに反映されます。
ポイント:工種は10分類以内に留める
細かく分けすぎると現場での黒板書き換えが増え、運用が崩れます。小規模現場なら「着工前・仮設・基礎・躯体・防水・外装・内装・設備・検査・その他」の10分類が扱いやすいです。
STEP3|PhotoSheetに写真を貼る
写真の貼り付けは3ステップで完結します。
- 「PhotoSheet」シートを開く
- 写真を入れたい枠をダブルクリック
- ファイル選択ダイアログから写真を選ぶ
写真は自動でセル枠に合わせてリサイズされます。1ページに2枚配置できます。
写真を貼った後は、右側の入力欄で工種・位置をリストから選ぶだけです。
STEP4|ページを追加する
1工事分のページが埋まったら、ページ追加ボタンをクリックするだけで新しいページが追加されます。
手動でシートをコピーしてレイアウトを整え直す、という作業はありません。
STEP5|印刷・PDF化して提出
台帳が完成したら印刷またはPDF化します。
- Excel:「ファイル」→「印刷」→「すべてのシートを印刷」
- PDF化:「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPS」
役所提出はPDF形式が基本です。ファイルサイズが大きくなる場合は、Adobe AcrobatやCubePDF Utilityで圧縮してから送付しましょう。
マクロを有効にする手順(初回だけ)



このテンプレートは .xlsm(マクロ有効ブック)です。初回起動時に「マクロを有効にしてください」という警告が出ます。
- ファイルを開くと上部に黄色いバーが表示される
- 「コンテンツの有効化」をクリック
これだけです。組織のPC環境によってはマクロが制限されている場合があります。その場合はIT担当者に確認してください。
写真整理ソフトで撮った写真を台帳にする場合
「写真は蔵衛門(他の工事写真整理ソフト)で撮ってるんだけど」という方も多いと思います。
結論から言うと、蔵衛門ユーザーの台帳作成は御用達DXからの出力が基本です。
電子小黒板で撮った時点で仕分けが終わっているので、PCソフト側で台帳を作るのが一番速い。
具体的な運用手順は別記事にまとめています。


ではこの記事のExcelテンプレートの出番はどこかというと、蔵衛門の外で発生する写真です。
- 協力会社からメールで送られてくる写真
- 蔵衛門導入前の過去写真
- スマホの標準カメラで撮ってしまった写真
- 客先指定の様式がExcelのとき
現場をやっていると、この「蔵衛門の外の写真」が意外と溜まります。
全部を蔵衛門に取り込み直すのは手間なので、こぼれた分はExcel台帳でサッと処理する。この使い分けが現実的です。
そして「こぼれた写真がDriveでぐちゃぐちゃ問題」を根本から解決したい場合は、後のセクションの自動化の話につながります。
蔵衛門以外のアプリも含めた比較はこちら


工事写真のまとめ方運用ルールを3つ紹介
テンプレートがあっても、運用が崩れると作業が効率化できず結局残業するはめになってしまいます。
シンプルに、以下の3つだけ守れば崩れるリスクを減らせます。
① 週1で写真をフォルダに入れる
金曜の夕方に20分だけ時間を取って、その週の写真を工種フォルダに移動します。



月末まとめは残業コースまっしぐらです…
② フォルダ名はMasterシートの工種名と揃える
📁 2026_〇〇改修工事
├ 01_鉄筋工
├ 02_土工
├ 03_型枠工
…
フォルダ名とMasterシートの工種名が一致していると、「どの写真をどこに入れるか」で迷う時間がゼロになります。
③ 台帳に貼る前に写真を選別する
Excelに全部貼ってから削るのは、PCも重くなるし時間も倍かかります。
選別の基準(役所工事向け)
- 施工前・施工中・完了が揃っているか
- 黒板の工種名・日付・寸法が読み取れるか
- 1工種あたり1〜2枚に絞れているか
写真整理を自動化する
ここまでの運用ルール、正直「わかってるけど、その週1の20分が取れない」という方も多いと思います。
毎日どんどん「やらなきゃいけない事」が増えていくのがこの仕事のしんどい部分ですからね。
そこで私は、写真のフォルダ整理そのものを自動化しました。
現場で撮った写真をスマホから送信するだけで、Google Drive上に工種ごとのフォルダが自動で構築・仕分けされていく仕組みです。Googleフォームと GAS(Google Apps Script)を使っているので、月額課金のアプリは不要です。
- 金曜夕方の写真整理タイム → 不要になります
- フォルダ名と工種名の不一致 → 起きません(送信時に工種を選ぶため)
- 台帳に貼る写真を探す時間 → フォルダを開くだけ
仕組みの詳細と導入手順はこちらの記事にまとめています。


これを活用すれば写真台帳テンプレートの有用性が一気に跳ね上がるはずです。
よくある質問
Q. 登録不要で無料の工事写真台帳テンプレートはありますか?
A. あります。この記事で配布しているテンプレートは登録不要・無料で、マクロを使わない.xlsx形式のため会社の貸与PCでもすぐ開けます。
Q. マクロ付きテンプレートが開けないのはなぜ?
A. 多くの場合、テンプレートではなくPC環境の問題です。会社や官公庁関係のPCではセキュリティポリシーで.xlsmファイルがブロックされることがあります。その環境ではマクロなしのテンプレートを使ってください。
Q. 写真をきれいに素早く貼るコツは?
A. Altキーを押しながら写真をドラッグすると、セルの枠線にピタッと吸着します。Excelの標準機能なので、どのPCでも使えます。
Q. エクセルとアプリ、どちらで台帳を作るべき?
A. 写真の量が少ない・客先様式がExcel指定ならエクセルで十分です。日常的に大量の写真を扱うなら電子小黒板つきのアプリが効率的です。アプリの比較は別記事にまとめています。(→app-compareへリンク)
まとめ
工事写真台帳テンプレは「マクロが使えるか」で選ぶとわかりやすいです。
使えるなら現場TECH製、禁止環境なら当サイトのマクロなし版(無料DL)。
写真の手動貼り付けは「Alt+ドラッグ」で枠に吸着させれば10秒で終わりますし、週1フォルダ整理+貼る前の選別で月末残業は減ります。その週1すら消したいなら写真整理GASを試してみてください!
写真整理は、書類仕事の中でもいちばん時間が溶ける領域です。ここを自動化できると、
定時後のデスクワークが目に見えて軽くなります。写真以外も含めて「書類のための残業」を丸ごと減らす方法は、こちらで解説しています。









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