公共工事の入札に必要な経営事項審査(経審)。
その評価項目のひとつが「Z点」です。
「Z点って何?」
「一級資格を持っていると有利と聞いたけど、実際どのくらい差がつくの?」
と思ったそこのあなたのために、この記事ではZ点の仕組みと計算方法を具体的な数字を使って解説します。
現場監督として約20年働いてきた経験から、会社が資格取得を強く勧める本当の理由もあわせてお伝えします。
Z点とは何か
経審の総合評点(P点)は、以下の4つの評点から算出されます。
- X点:完成工事高
- Y点:経営状況
- Z点:技術職員数および元請完成工事高
- W点:その他の審査項目(社会保険加入状況・建設機械保有数など)
このうちZ点は「技術力」を評価する項目で、P点への反映割合は25%です。
ヤマダX点(売上規模)の影響が大きい経審において、中小企業が差をつけやすい数少ない項目のひとつです。
P点についてはこちらの記事でまとめています。


Z点の計算方法
Z点は以下の2つの要素から算出されます。
① 技術職員数評点(Z1)
保有する技術職員の数と資格ランクをもとに点数を計算します。職員1人ひとりに「技術職員数値」が割り当てられ、その合計が評点に反映されます。
資格ランクによる技術職員数値は以下の通りです。
| 点数 | 対象 |
|---|---|
| 6点 | 1級技術者で、監理技術者資格者証の交付を受け、監理技術者講習を受講している者 |
| 5点 | 1級技術者(6点に当たらない者) |
| 4点 | 監理技術者補佐(主任技術者の要件を満たす1級技士補など) |
| 3点 | 登録基幹技能者、または能力評価基準でレベル4と判定された技能者 |
| 2点 | 2級技術者、または能力評価基準でレベル3と判定された技能者 |
| 1点 | その他の技術職員(実務経験による主任技術者など) |
※1人の技術職員が申請できるのは2業種までです。
※点数の区分は改正されることがあるので、申請の前に許可行政庁の最新の手引きで確認してください。
1級技術者と2級技術者では、1人あたり3点の差があります。さらに監理技術者資格者証を取って講習を受けていれば、同じ1級でも1点上乗せされます。
② 元請完成工事高評点(Z2)
元請として完成させた工事高をもとに算出されます。
下請工事のみの会社はZ2が低くなるため、元請比率を上げることもZ点対策のひとつです。
一級建築施工管理技士がZ点に与える具体的な影響
たとえば社員10人の中小建設会社で、一級建築施工管理技士が1人いる場合と2人いる場合を比べてみます。
- 1人(資格者証あり):6点
- 2人(資格者証あり):12点
Z点の計算上、技術職員数値の合計が大きいほど評点が上がります。
たった1人増えるだけで会社の経審点数が変わり、入札できる工事の規模や件数に直結します。



これが「会社が一級資格の取得を勧める本当の理由」です。
個人のキャリアアップという側面もありますが、経営者にとっては受注力に直結する経営戦略です。
会社が資格取得を支援する理由
現場監督として約20年働いてきた経験から言うと、会社が資格取得を強く勧めるのには明確な理由があります。
公共工事の総合評価落札方式では、入札価格だけでなく技術力も評価されます。
経審のZ点が高い会社は、そもそも入札できる案件の規模が大きくなります。つまり一級資格を持つ社員が増えることは、会社の売上ポテンシャルを直接引き上げることになります。
一方で技術者の高齢化は業界全体の課題で、若手の資格取得率は需要に追いついていません。
資格を持っている人材の希少価値は、今後さらに高まっていくと考えられます。
Z点を上げるために個人ができること
会社のZ点向上に貢献する方法は主に2つです。
一級資格を取得する
一級建築施工管理技士の取得が最もインパクトの大きい方法です。
二級からのステップアップでも、技術職員数値が2点から5〜6点に跳ね上がります。
監理技術者資格者証を取得する
一級資格取得後、監理技術者講習を受講して資格者証を取得すると、数値が5点から6点に上がります。
費用も数万円程度で取得できるため、一級取得後はセットで取っておくことをおすすめします。
1級技士補(第一次検定)に合格する
1級の第二次検定まで合格していなくても、第一次検定に合格して「1級技士補」になり、主任技術者の要件を満たしていれば、監理技術者補佐として4点で評価されます。
2級技術者(2点)より2点高い評価です。1級を目指している途中でも、会社のZ点に貢献できるということです。



資格の点数が何点なのかはこちらの記事でまとめています。


事務系の資格(建設業経理士など)はZ点ではなくW点
「経審の点数が上がる資格」というと、建設業経理士を思い浮かべる人もいるかもしれません。
ただし、建設業経理士は技術力のZ点ではなく、社会性等のW点で評価される資格です。会社に1級・2級の建設業経理士がいると、W点の中の「公認会計士等の数」の項目で加点されます。
- 技術系の資格(施工管理技士、建築士、技能士など)→ Z点(技術力)
- 事務系の資格(建設業経理士など)→ W点(社会性等)
どちらも経審の点数に関わりますが、評価される場所が違います。事務担当の人が資格を取るなら、建設業経理士がW点に効く、と覚えておくといいでしょう。
まとめ
- Z点は経審の技術力評価項目で、P点への反映割合は25%
- 一級資格保有者は1人あたり最大6点、二級の3倍の評点がつく
- 会社が資格取得を推奨するのは、Z点=受注力に直結するから
- 若手技術者の資格取得は、個人と会社の両方にメリットがある
一級建築施工管理技士の取得を検討している方は、通信講座の活用も選択肢のひとつです。現場仕事と並行して効率よく学べる環境を選ぶことが、合格への近道になります。



自社のZ点が結果通知書のどこに出ているかは、こちらの記事で見本の図つきで解説しています。








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