施工計画書、白紙から書くのってしんどくないですか。
工事概要、使用材料、施工方法、品質管理、安全管理……章立てを考えて、仕様書をめくって、前の現場のファイルを探して、コピペして直して。気づけば半日消えている。
しかも新人の頃は「そもそも何を書けばいいのか」がわからない。
私は建設業歴20年の現場監督ですが、施工計画書は今でも「作業量的に重い書類」の筆頭です。だったら、その一番重い「最初の一歩」をAIにやらせればいい。
そう思って、施工計画書のたたき台を自動生成する無料ツールを自分で作りました。
この記事では、ツールの使い方と「なぜたたき台なのか」という設計の考え方を紹介します。
登録不要・無料・ブラウザだけで動きます。
もっと踏み込んだ出力が欲しい方へ(製品版)
無料版は、確認ポイントを各章1〜2点に絞っています。継手や接合方法といった工法別の詳細も、概要の記載にとどめています。
これは意図的な制限です。無料版は「たたき台がどんなものか」を体感してもらうことを目的にしているためです。
実務でそのまま使い込むなら、製品版を用意しました。
- 確認ポイントを上限なしで網羅出力(漏れ防止チェックリストとして使える)
- 継手工法別・接合方法別の詳細な管理項目と検査計画
- Word(.docx)出力(表紙付き・「※要確認」は黄色ハイライト)
- 入力内容の保存・呼び出し
価格は1,980円です。月額料金などはありません。詳細と購入はnoteからどうぞ。
施工計画書たたき台ジェネレーター(無料版)
下のフォームに、図面や仕様書から拾った情報を入力して「生成する」を押すだけです。
現在はコンクリート・鉄筋・型枠・鉄骨・土工事地業の躯体5工種に対応しています

登録不要・ブラウザだけで使えます。
スマホでも動きますが、図面や仕様書を見ながら入力する作業なので、PCでの利用をおすすめします。
使い方は3ステップ
①工種を選ぶ(コンクリート・鉄筋・型枠・鉄骨・土工事地業)※随時追加予定
②入力欄を埋める(必須は工事名・工期・対象部位・強度など。あとは埋めた分だけ反映されます)
③「生成する」を押して1〜2分待つ → 生成された計画書をコピーして、WordでもExcelでも好きな場所に貼り付け

入力欄そのものが「拾い出しチェックリスト」になっている
このツール、実は入力欄の設計に一番こだわっています。
工種を選ぶと、その工種の施工計画書に必要な項目が入力欄として並びます。
つまり「図面と仕様書のどこを見て、何を拾えばいいか」がフォーム自体でわかる。
各欄には「📐どこを見る:構造図の一般事項・特記仕様書」のようなガイドも付けました。
新人の頃の私が一番困ったのは、書き方以前に「何を確認すべきかわからない」ことでした。だからこのツールは、生成ボタンを押さなくても、入力欄を眺めるだけで拾い出しの勉強になるように作ってあります。
工期を入れると、季節対策が自動で出る
たとえば工期に冬(11月〜3月)を含む日付を入れると、「寒中コンクリート」の入力欄が自動で開き、生成される計画書にも寒中対策の章が入ります。夏なら暑中コンクリート。両方またぐ工期なら両方出ます。
鉄筋工事なら、継手工法(ガス圧接/機械式/重ね継手)をチェックすると、その工法に応じた入力欄だけが開きます。

このツールの設計思想──なぜ「たたき台」なのか
ここが一番伝えたいところです。このツールは意図的に「完成品を出さない」設計にしています。
空欄を勝手に埋めない
ヤマダ未入力の項目を、AIがそれっぽい数値で埋めることは絶対にしません。
空欄は生成結果に「※要確認(未入力)」と赤字で残ります。
理由は単純で、施工計画書は責任者が名前を出して提出する書類だからです。AIが勝手に入れた「もっともらしい数値」が紛れ込むのが、この種のツールで一番危ない。入力した数値だけが計画書に載る──つまり計画書に載っている数値は、全部あなたが一度確認した数値である。この構造だけは崩さないと決めて作りました。
一般論は「一般論」と明示して、確認を促す
一方で、JASS5や公共建築工事標準仕様書レベルの一般的な管理値(打重ね時間、養生温度など)は、考える起点として積極的に載せています。
ただし必ず「一般に〜とされる」という書き方で、直後に「(適用する最新の仕様書・特記仕様書で数値を確認すること)」の但し書き付き。
鉄筋工事では、かぶり厚さが未入力のとき、公共建築工事標準仕様書の考え方を【参考】として併記します。これも確定値ではなく、あなたが確認・確定するための足がかりです。
各章に「確認ポイント」が付く
生成された計画書の各章末には、監督が最終チェックすべき確認ポイントが箇条書きで付きます。
考慮漏れの防止用です。無料版では各章の最重要ポイントに絞っていますが、それでも「あ、これ確認してなかった」に気づくには十分なはずです。
施工計画書をAIで作る3つの方法と使い分け
施工計画書をAIで作る方法は、大きく分けて3つあります。
- 建設業向けの専用AIサービスを使う
- ChatGPTなどの汎用AIに指示して書かせる
- この記事のたたき台ジェネレーターを使う
どれが正解ということはありません。会社の規模や、施工計画書を書く頻度によって向き不向きが変わります。
① 建設業向けの専用AIサービス
ここ1〜2年で、施工計画書に特化したAIサービスが一気に増えました。代表的なものは次のとおりです。
- 施工計画書AI(株式会社NITACO):設計図書のPDFなどをアップロードすると、施工計画書の初稿を自動で生成するクラウドサービスです。建設業の全29業種に対応しています(2026年2月にβ版公開)。
- 工事書類AI(EARTHBRAIN):過去の施工計画書、発注者の施工管理基準、設計図書をアップロードして、ドラフトを生成するサービスです。
大成建設のように、大手ゼネコンが自社専用のシステムを開発している例もあります。
専用サービスの強みは、図面や仕様書を読み込ませるだけで、ある程度の形まで仕上がることです。自社の過去の計画書を学習させられるサービスもあり、会社として書類作成の仕組みを変えたいなら、最も効果が大きい選択肢です。
一方で、基本的には法人向けです。導入には問い合わせや契約が必要で、「明日の提出に向けて、ひとまず試したい」という個人の監督には少しハードルが高いのが正直なところです。料金や対応範囲は各公式サイトで確認してください。
② ChatGPTなどの汎用AI
ChatGPT、Claude、Geminiなどの汎用AIでも、指示の出し方次第で施工計画書の文章は書けます。すでに使っているなら、追加の費用はかかりません。
ただし大きな弱点があります。情報が足りないとき、AIはもっともらしい数値で勝手に埋めてしまうのです。
かぶり厚さ、スランプ、養生期間など、AIは「それっぽい数値」を平気で出してきます。一見正しそうなので、確認せずにそのまま提出してしまう危険があります。汎用AIを使う場合は、プロンプトでこれを防ぐ必要があります(次のセクションで具体例を紹介します)。
③ たたき台ジェネレーター(この記事のツール)
このツールは、①と②の間を狙って作りました。
- 登録不要・無料で、ブラウザからすぐ使える
- 工種ごとの入力欄があるので、プロンプトを考えなくていい
- 未入力の項目は「※要確認」として残し、数値を勝手に埋めない
図面をまるごと読み込むような機能はありません。そのかわり、何を拾えばいいかを入力欄が教えてくれる作りになっています。
どれを選ぶべきか
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| 会社として書類作成の仕組みを変えたい | 専用AIサービス |
| AIを使い慣れていて、自分で指示を調整できる | 汎用AI+プロンプト |
| 個人でまず試したい・躯体工事の計画書を早く形にしたい | たたき台ジェネレーター |
ChatGPTで施工計画書を書かせるプロンプト例
汎用AIを使う場合のプロンプト例です。ポイントは、「わからない数値は埋めるな」とはっきり指示することです。
あなたは建築工事の施工計画書を作成する現場監督の補助です。
以下の工事情報をもとに、「コンクリート工事」の施工計画書のたたき台を作成してください。
【工事情報】
・工事名:〇〇
・工期:〇年〇月〇日〜〇年〇月〇日
・対象部位:〇〇
・設計基準強度:〇〇N/mm²
・(ほか、図面・仕様書から拾った情報)
【構成】
1. 工事概要 2. 使用材料 3. 施工方法 4. 品質管理 5. 安全管理
【守ってほしいルール】
・上記の工事情報にない数値・製品名・業者名は、絶対に推測で書かないこと
・不明な箇所は「※要確認(未入力)」と書いて空けておくこと
・一般的な管理値を書く場合は「一般に〜とされる」と明記し、
「適用する仕様書・特記仕様書で確認すること」と但し書きを付けること
・各章の最後に、監督が確認すべきポイントを箇条書きで付けること
この「守ってほしいルール」の部分は、実はたたき台ジェネレーターの中身とほぼ同じ考え方です。
ただ、汎用AIはやり取りが長くなるとルールを忘れることがあります。出力のたびに、数値が勝手に入っていないか確認してください。
毎回このプロンプトを調整して情報を並べるのが面倒なら、入力欄に沿って埋めるだけのジェネレーターの方が早いと思います。
AIのたたき台は「削って」仕上げる──提出前のチェック手順
AIで作ったたたき台は、そのまま提出できる完成品ではありません。
私が当ブログの施工計画書テンプレートでずっと言っているのは「埋めるのではなく削る」という考え方です。AIのたたき台は、この「削る」作業の材料としてちょうどいいのです。
AIは、情報を入れるほど密度のある文章を返してくれます。一般論、確認ポイント、季節対策まで、多めに出てきます。そこからこの現場に関係ないものを削り、残ったものを現場の言葉に直す。これが一番早い仕上げ方です。
白紙から足していくより、多めにあるものから削る方が、考慮漏れが格段に減ります。
提出前に見るべき5つのポイント
1. 数値は全部、自分の資料と照合する
計画書に載っている数値は、すべて図面・特記仕様書・メーカー資料のどこかに根拠があるはずです。根拠を指させない数値は消すか、確認するまで「要確認」のまま残してください。
2. 特記仕様書が優先されているか
AIが書く一般論(JASS5や標準仕様書レベルの数値)と、特記仕様書の指定が違うことはよくあります。食い違いがあれば、特記が優先です。
3. この現場にない工程・設備を削る
使わない工法、置かない重機、該当しない季節対策が混ざっていないか確認します。ここが「削る」の本番です。
4. 「要確認」と但し書きを残したまま出さない
「※要確認」や「一般に〜とされる」は、確認作業のための目印です。提出版には残さないでください。
5. 提出先の様式・ルールに合わせる
発注者や元請によって、章立てや書式の指定があります。中身ができたら、指定の様式に流し込んで体裁を整えます。
施工計画書は、責任者が名前を出して提出する書類です。AIに任せていいのは「最初の8割を下書きする」ところまで。残りの2割(確認して、削って、現場に合わせる部分)が、監督の仕事として残ります。




様式はテンプレで、中身はこのツールで
施工計画書の「様式(ガワ)」が必要な方は、当ブログで無料配布しているExcelテンプレートをどうぞ。


様式はテンプレでダウンロードして、中身の文章はこのツールでたたき台を作って流し込む。この組み合わせが一番早いです。



このあと紹介する製品版ならWordへの出力も出来るので、一気に下書きが完成します。
まとめ
- 施工計画書をAIで作る方法は、専用AIサービス・汎用AI・たたき台ジェネレーターの3つ。会社として仕組みを変えるなら専用サービス、個人でまず試すならジェネレーターが向いています
- このツールは躯体5工種(コンクリート・鉄筋・型枠・鉄骨・土工事地業)に対応しています。工期を入れると、寒中・暑中の季節対策も自動で判定します
- 空欄を勝手に埋めない設計です。未入力の項目は「※要確認」として残るので、計画書に載る数値はすべて自分が確認したものになります
- AIのたたき台は完成品ではなく「削る材料」です。情報の多い「たたき台」から、現場に関係ないものを削って仕上げるのが一番早い方法です
- Word出力や、確認ポイントを上限なしで出したい方は、製品版(note・1,980円)をどうぞ
白紙から書き始めて半日かかっていた「最初の一歩」を、このツールで数分に縮めてもらえたら嬉しいです。


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