1. 新規入場者教育とは
建設現場では、はじめて入場する作業員に対して
- 現場のルール
- 危険個所
- 緊急時の対応
などを事前に教育することが、労働安全衛生規則第642条の3によって義務付けられています。
難しく聞こえますが、要は「現場の情報を知らないまま現場に入れるな」ということです。
入場1週間以内の被災率が高いというデータがあり、慣れていない時期に事故が集中しやすいことが背景にあります。
教育のタイミングは2パターンあります。
ひとつは協力業者が新たに工事を請け負って現場に乗り込むとき、
もうひとつは施工中の現場に新たな作業員が加わるときです。
どちらも作業開始前の当日に実施するのが基本です。
なお、現場事務所等で当日実施するものを「新規入場者教育」、
事前に下請会社が自社作業員に行うものを「送り出し教育」と呼びます。
ヤマダこの記事で扱うのは前者、元請側が実施する新規入場者教育の資料です。
2. 資料に盛り込むべき内容
建設業労働災害防止協会が推奨する教育項目は全9項目あります。
- 所長方針
- 工事概要
- 施工管理体制
- 現場配置図
- 作業上の安全ルール
- 保護具
- 整理整頓
- 緊急時対応
- 健康管理
です。
ただし現実問題として、小〜中規模の現場でこれを全部スライド化しようとすると準備が大変になります。



僕の経験では、最低限押さえておきたいのは以下の6項目です。
- 現場のルールと持ち物(保護具・禁止事項)、
- 作業上の安全ルール(重機・高所・整理整頓)
- 火気・危険物の取扱い
- 緊急時の対応(避難経路・連絡先)
- 健康管理(熱中症・体調不良時)
- 受講後の手続き(職長への申告)
所要時間は15〜30分が相場なので、スライドなら7〜15枚程度がちょうどいいボリュームです。
3. 無料テンプレートのダウンロード
PPTX形式とPDF形式の2ファイルを同梱しています。
PDFはそのまま印刷して使えます。
PowerPointファイルは現場名・担当者・緊急連絡先などを自分で書き換えて使えます。
またPDFをGoogle DriveにアップしてQRコード化すると、入場者がスマホでスキャンして読む運用にも対応できます。
QR運用の詳しい手順は別記事で解説します。(準備中)
4. スライドの中身を紹介
無料版は全7枚構成です。各スライドの内容を順に説明します。
スライド1:タイトル


現場名・実施日・担当者名の記入欄付き。工期ごとに情報を書き換えてPDF化するだけで使い回せます。
スライド2:本日の教育内容


全項目を一覧で示す目次スライドです。「今日はこれを説明します」と最初に示すことで、作業員が内容の全体像を把握しやすくなります。
スライド3:現場のルールと持ち物


「必ず持参するもの(安全帽・安全靴・作業着・安全帯・身分証明書)」と「禁止事項(無断入退場・飲酒・携帯電話の作業中使用など)」を左右で対比させたレイアウトです。
スライド4:作業上の安全ルール


保護具の着用・整理整頓・重機周辺での行動・声かけ確認の4項目をカード形式で掲載しています。
スライド5:緊急時の対応


「大声で知らせる→119番/110番に通報→現場責任者に報告」の3ステップを図解。
現場監督の連絡先・会社の緊急連絡先の記入欄も設けています。
スライド6:熱中症・健康管理


症状チェックリストと予防策・対処法を左右で対比させています。
「これくらい大丈夫」という思い込みを防ぐ注意喚起を最下部に強調表示しています。
スライド7:受講後の手続き


職長への申告→受講確認書への記入→疑問は作業前に確認、という3ステップの案内スライドです。
署名欄はスライドに設けていないので、受講確認書(後述)を別途紙で配布して回収する運用を想定しています。
5. 有料版テンプレートについて



無料版は基本7項目の最小構成ですが、有料版は15枚フル構成で、建設業労働災害防止協会推奨の9項目をすべてカバーしています。
追加されている内容は以下のとおりです。
工事概要・施工管理体制スライドは、現場名・工期・発注者・担当者・連絡先をまとめて記入できる入力フォーム型のスライドです。工期中は一度入力すれば使い回せます。
現場配置図スライドは、配置図の画像を貼り付けるためのプレースホルダー付きスライドです。
出入口・通路・危険エリア・避難経路・消火器の位置などを図示するために使います。
高所作業の安全スライドでは、フルハーネス型安全帯の義務(2m以上)・開口部養生・足場の事前確認・工具の落下防止措置を解説しています。
重機・車両との接触防止スライドでは、「死角に入らない・誘導員の指示に従う・アイコンタクトで確認する」の3鉄則を図解しています。
冬季の安全対策スライドは、凍結・滑り対策・暖房器具による一酸化炭素中毒・降雪時の作業中止判断などを網羅しています。
交通安全・近隣対応スライドでは、構内徐行・駐車場所・近隣住民への配慮といった現場外のルールも含めています。
さらに有料版には受講確認書のExcelテンプレートも付属しています。25名分の記入行・備考欄・記入例シートが含まれています。スライドで教育を行った後、この確認書を紙で配布→記入→回収という流れでそのまま使えます。
セット内容:有料版スライド(PPTX+PDF)+ 受講確認書(Excel)
価格:980円
6. まとめ
新規入場者教育の資料は、法的義務を果たすだけでなく
「知らなかったから事故になった」を防ぐための実務ツールです。
毎回口頭で説明するより、スライドを使って視覚的に伝える方が理解度も上がり、
後から「言った・言わない」のトラブルも減ります。
まず無料版で現場に合うかどうか試してみてください。
現場規模が大きい・書類管理まで含めて整えたい場合は、有料版と受講確認書のセットが便利です。
(← 内部リンク:QRコードで紙を無くす方法の記事へ)








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