建設業の法定福利費は何パーセント? 見積書への書き方と自動計算ツール【建設業向け】

元請けから「法定福利費を内訳明示してください」と言われたとき、何をどう書けばいいか迷った経験はありませんか。

法定福利費の内訳明示は、建設業では今や標準的な要求になっています。

この記事では、法定福利費の計算方法と見積書への転記方法を実務ベースで解説します。
労務費を入力するだけで自動計算できるExcelテンプレートも無料配布しているので、是非使ってみてください。

目次

建設業の法定福利費とは何か

法定福利費とは、社会保険料のうち会社(事業主)が負担する分のことです。

従業員を雇用すると、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の保険料の一部を会社が負担する義務があります。
この会社負担分が法定福利費です。

建設業で特に重要視される背景には、長年にわたる社会保険未加入問題があります。

下請け・一人親方への支払いに法定福利費が含まれていないと、実質的に社会保険料の負担を労働者に押し付ける構造になります。国土交通省はこの問題に対応するため、見積書への法定福利費の内訳明示を業界全体に求めています。

元請けが内訳明示を求める理由は、下請け業者が適切に社会保険に加入しているか確認するためです。

法定福利費が計上されていない見積書は、社会保険未加入の疑いがあるとして指導の対象になることがあります。

法定福利費は何パーセントか(2025年度版)

法定福利費は、従業員に支払う賃金総額(労務費)に各保険料率をかけて計算します。2025年度の事業主負担率は以下の通りです。

健康保険料(協会けんぽ)の事業主負担は都道府県によって異なりますが、全国平均でおよそ4.99%前後です。

厚生年金保険料は18.3%で労使折半のため、事業主負担は9.15%です。

雇用保険料の事業主負担は1.75%(建設業の場合)です。一般事業より高めに設定されています。

労災保険料は業種・工事の種類によって異なります。一般的な建築工事では0.95%程度です。

4種合計の事業主負担率は約16.84%になります。実務上の概算として、労務費の約15〜16%を法定福利費として見込むのが目安です。見積段階では16%で概算しておくと大きくずれません。

計算式は以下の通りです。

法定福利費 = 労務費(賃金総額)× 各保険料率の合計

たとえば労務費120万円の工事であれば、法定福利費は約20万円になります。

自社の見積書への転記方法

内訳明示の基本フォーマット

法定福利費の計算が終わったら、その数字を自社の見積書書式に転記します。

元請けから指定された様式がある場合はその書式に従ってください。指定がない場合は以下の形式で記載するのが一般的です。

工事費合計          1,000,000円
法定福利費(健康保険)     49,900円
法定福利費(厚生年金)     91,500円
法定福利費(雇用保険)     17,500円
法定福利費(労災保険)      9,500円
法定福利費 合計        168,400円
合計(税抜)        1,168,400円

よくある書き方ミス2つ

ミス1:法定福利費を工事費に含めてしまう

工事費の中に法定福利費を含めて計上すると、内訳明示にならないため元請けの確認ができません。

必ず工事費と切り分けて独立した項目として記載してください。

ミス2:労務費以外をベースに計算してしまう

法定福利費は労務費(賃金総額)をベースに計算します。

材料費・外注費を含めた工事費全体にかけてしまうと金額が大幅にずれます。計算のベースは「労務費のみ」であることを必ず確認してください。

自動計算ツールの使い方

法定福利費の計算を毎回手でやるのは手間がかかり、保険料率の入力ミスも起きやすいです。

当サイトので配布している法定福利費自動計算ツールを使えば、労務費を入力するだけで4種の保険料と法定福利費合計が自動で計算されます。

自社情報・工事情報・労務費を入力するだけ。保険料率は黄色セルで編集できるので年度改定にも対応。
計算結果と見積書への転記用まとめが自動表示される。この数字をそのまま自社の見積書に転記すればOK。

計算結果は「見積書への転記用まとめ」として項目名付きで表示されます。

自社の見積書書式に転記するときに迷いません。保険料率は黄色セルで編集できるため、年度改定があっても数字を書き換えるだけで対応できます。

PDFで提出する場合の注意点

元請けによっては見積書をPDFで提出するよう指定されることがあります。

ExcelからPDFに変換する方法は、ファイル→エクスポート→PDF/XPS形式で発行、で対応可能です。

毎月複数の見積書をPDFで管理する場合や、元請けから届いたPDF様式に直接入力したい場合はAdobe Acrobatが便利。

PDFへの直接入力・ページの結合・OCRによるテキスト化など、見積書まわりの書類作業をまとめて効率化できます。

まとめ

法定福利費は労務費の約15〜16%が目安です。見積書には工事費と切り分けて独立した項目として記載し、保険種別ごとの内訳を明示するのが基本です。計算ミスと記載漏れは自動計算ツールを使うことで防げます。

毎回の計算作業を効率化したい方は自動計算ツールを試してみてください。

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この記事を書いた人

建設業歴20年。二級建築士・一級施工管理技士。

現場も書類もほぼ一人で回す日々の中で、「もっとラクにできる」と思ったことをまとめています。

工事写真・安全書類・アプリ・経理・許可申請まで、建設業のバックオフィスを全部カバーします。

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