グリーンファイル(安全書類)とは?必要書類の一覧と提出の流れを現場監督がまとめて解説【保存版】

協力会社として新しい現場に入るとき、最初の仕事は施工でも資材搬入でもなく、書類です。

再下請負通知書、作業員名簿、持込機械の届——いわゆる「グリーンファイル(安全書類)」と呼ばれる一式ですが、種類が多いうえに、どれが法律の義務でどれが元請のルールなのか、誰がいつまでに出すのか、全体像を1枚で説明した資料は意外とありません。

この記事は、その全体地図です。

書類を受け取って審査する側の現場監督として、安全書類の一覧・それぞれの位置づけ・新規入場までの提出の流れをまとめました。各書類の詳しい書き方は個別記事に用意してあるので、ここから必要なページに飛んでください。

目次

グリーンファイルとは?

グリーンファイルとは、建設現場に提出する労務安全書類の通称です。

かつて綴じるファイルの表紙が緑色だったことが由来と言われています。正式な法律用語ではありませんが、現場では「安全書類」「グリーンファイル」がほぼ同じ意味で使われています。

様式は元請ごとに微妙に違うものの、事実上の標準になっているのが全建統一様式(全国建設業協会の統一様式)です。この記事も全建統一様式の構成をベースに解説します。

ひとつ交通整理を。「グリーンファイル」で検索すると出てくるGreenfile.workは、安全書類を電子化するクラウドサービスの名前です。

一般名詞のグリーンファイル(書類の総称)とサービス名が同居しているのが、このジャンルの検索がややこしい理由ですが、この記事で扱うのは前者——書類そのものの話です(電子化サービスについては後半で触れます)。

安全書類の全体一覧【保存版】

全建統一様式の構成をベースに、主要な安全書類を一覧にしました。「位置づけ」の列に注目してください。

安全書類は実は3層に分かれます——法定(法令・省令で作成が義務)、台帳の一部(施工体制台帳の記載事項として実質義務)、元請ルール(法定ではないが提出必須の運用)。

この区別が分かると「なぜこの書類が要るのか」で迷わなくなります。

【施工体制関係】

様式書類名誰が作る位置づけ詳細記事
施工体制台帳元請法定あり(作成義務/添付書類)
様式第1号-甲再下請負通知書下請に出した会社法定あり(書き方・記入例)
様式第1号-乙相当施工体制台帳(下請通知用)一次下請法定あり
施工体系図元請法定

【労務関係】

様式書類名誰が作る位置づけ詳細記事
様式第5号作業員名簿各社台帳の一部あり(テンプレート)
様式第5号-別紙社会保険加入状況各社台帳の一部

【安全関係】

様式書類名誰が作る位置づけ詳細記事
様式第6号工事安全衛生計画書各社元請ルール-(執筆予定)
様式第7号新規入場時等教育実施報告書各社元請ルール
様式第8号安全ミーティング報告書各社元請ルール
様式第9号移動式クレーン・車両系建設機械等使用届機械を持ち込む会社元請ルール※あり(書き方・記入例)
参考様式第5号持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届同上元請ルール※あり
様式第10号持込機械届済証元請が発行元請ルールあり(解説内)
参考様式第7号工事・通勤用車両届各社元請ルール
様式第11号有機溶剤・特定化学物質等持込使用届持ち込む会社元請ルール※
参考様式第8号火気使用願各社元請ルール

※印の書類は、様式そのものは元請ルールですが、中身は安衛法の点検義務・資格・作業管理の証明でできています。「出さなくても法律違反ではない」ではなく「出さないと法定義務を証明できず現場に入れない」書類です。

なお、様式の号数や採用範囲は元請によって違います(独自様式・グリーンサイト運用など)。

現場に入るときは必ず元請の様式集で確認——これが大原則です。

提出の流れ:新規入場までのタイムライン

一覧の次は「いつ出すか」です。契約から入場までの流れを時系列にすると、こうなります。

  1. 下請契約の締結
  2. 元請から「施工体制台帳作成建設工事の通知」を受け取る(この工事は台帳対象ですよ、の書面)
  3. 書類一式の作成・提出:再下請負通知書(二次以下がいる場合)+作業員名簿+持込機械の届+安全衛生計画書など元請指定の様式
  4. 元請の受付・審査:不備があれば差し戻し。機械は届済証の発行
  5. 新規入場時教育:教育実施報告書の提出
  6. 入場・作業開始

受付側からのお願いをひとつだけ。提出の締切は「着工日」ではなく「新規入場日の1週間前」で考えてください。名簿がないと入場教育が組めず、届がないと機械が搬入できません。着工日ぴったりに書類が届く現場は、初日から工程が止まります。

主要書類の役割と書き方

各書類の入口だけ案内します。詳細は個別記事へ。

施工体制台帳

元請が現場の下請体制を一元管理する台帳。公共工事は金額不問、民間工事は下請総額5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)で作成義務です。金額ラインは2025年2月に改正されたばかりなので、古い情報に注意してください。

再下請負通知書

下請に出した会社が元請へ報告する書類。契約日の時系列、左右の工事内容の書き分けなど、差し戻されやすいポイントが決まっています。記入例画像とExcel様式の無料ダウンロードつきで解説しています。

作業員名簿

現場に入る全員分を各社が作成。2020年10月から施工体制台帳の一部として実質義務化されています。当ブログではマスターシートに1回入力すれば自動転記できる全建統一様式のExcelテンプレートを配布しています。

持込機械の届(2種類)

重機・車両系は様式第9号、電動工具は参考様式第5号と、持ち込むものによって様式が分かれます。資格と機械の対応、特定自主検査の期限が審査の本丸です。

安全衛生計画書・新規入場時等教育報告書など

工事安全衛生計画書(様式第6号)は、その現場での安全管理の計画を各社が宣言する書類。新規入場時等教育実施報告書(様式第7号)は入場教育の実施記録です。

このあたりは元請の運用色が強い書類群なので、様式集と記入例を必ず現場で確認してください(安全衛生計画書は当ブログでも解説記事を準備中です)。

一人親方が出す書類

一人親方も、請負で入る以上は基本セットは同じです。ポイントだけ。

  • 再下請負通知書:屋号+氏名で。許可なしなら空欄ではなく「なし」と明示(→記入例あり)
  • 作業員名簿:本人1名分。健康保険・厚生年金は「適用除外」の整理、労災は特別加入証明
  • 持込機械・工具の届:「自分の道具だから」は通りません。電動工具様式にまとめて記載

それぞれの詳細は、各記事の一人親方セクションにまとめてあります。

電子化の潮流:グリーンサイト・Greenfile.workなど

大手ゼネコンの現場を中心に、安全書類はグリーンサイト等のクラウドシステムでの提出が主流になりつつあります。

システム化されると転記ミスと紙の管理から解放される一方で、どのシステムを使うかは元請が決めるので、協力会社側は現場ごとに従う形になります。

紙運用の現場も依然多く、当面は「システムと紙の二刀流」が実務の現実です。

未対応の協力会社や一人親方の分だけ紙で合流する現場も多いので、元請側は「紙分の合流ルール」を着工前に決めておくと混乱しません。

書類作成をラクにする:テンプレートと自動化

安全書類のしんどさの正体は、同じ情報(会社情報・作業員情報・現場情報)を何枚にも転記することです。

だから効率化の考え方はひとつで、「マスターデータを1回だけ入力し、各様式へ展開する」

当ブログでは、その思想で作ったExcelテンプレートを配布・販売しています。

  • 作業員名簿テンプレート:マスターシートからVLOOKUPで名簿へ自動転記
  • 再下請負通知書の様式Excel:記入例つき・無料DL
ヤマダ

将来的には、マスター1枚から施工体制台帳・再下請負通知書・作業員名簿まで一気通貫で展開するワークブックも構想中です。

よくある質問

提出期限はいつですか?

法令上の一律の期限はなく、元請ルールで決まります。実務の目安は新規入場日の1週間前

再下請負通知書だけは法令上「契約後遅滞なく」です。

様式はどこで入手できますか?

元請の様式集(現場事務所・ポータル)が第一。

指定がなければ全建統一様式で問題ありません。各都道府県の建設業協会サイトでも配布されています。

全建統一様式以外の書式でもいいですか?

法定書類(台帳・再下請負通知書・名簿)は、法定記載事項を満たしていれば書式自由です。

ただし元請が様式指定している場合はそちらに従うのが実務です。

保存期間は?

施工体制台帳関係は引渡しから5年。

安全関係書類は元請の社内規定によりますが、労災対応を考えると工事完成後も一定期間の保管が無難です。

二次下請の書類は誰がまとめて出しますか?

一次下請が取りまとめて元請に提出するのが原則です。

元請が二次・三次に直接催促する現場は、一次の管理機能が働いていないサインです。

まとめ:全体地図を持って、各論へ

  • グリーンファイル=労務安全書類の総称。事実上の標準は全建統一様式
  • 書類は法定/台帳の一部/元請ルールの3層。区別できれば迷わない
  • 提出は新規入場日の1週間前を締切に
  • 書き方の詳細は各記事へ:
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次